7月7日

なぜ、この時期に、7月7日と思われるかもしれません。それは、出勤前にぱらぱらっとめくった本の一文が気になったからです。

少し前の日本では、七夕の日は、女性にとって特別な時間を過ごすひでした。今では、短冊にお願いごとを書いて、葉に吊るすというのが有名です。

気になった文とは、「何時か、時間がたったときに、七夕の日が商売繁盛の祈願の日になってしまうのではないか・・・」です。この本の著者は、大正生まれのおばあちゃんです。

なんだか、私は、このおばあちゃんの気持ちが分かるような気がします。もし、七夕の短冊に、この文字だけが書かれていたら寂しくなるような気がします。何かが上手くなりたい・・・、誰それと両思いになりたい・・・といった願いがあるからこそ、夢があるように思いました。

私の好きな小説家の小川洋子の「密やかな結晶」という本の中に、「物語の記憶は誰にも消せない」といった言葉があります。

誰でもが、小さい頃に、読んだことのある、織姫と彦星の話があります。このお話を聞いたことのあれば、全員が商売繁盛を願う言葉を短冊に書く日は来ないと思います。

私も、この本の著者のおばちゃんみたく、自分がおばあちゃんになった時に、七夕の物語や七夕に書くそれぞれの夢などが失われてしまうということがないことを祈りたいな・・・と思います。

季節はずれな文になってしまいました。