高羽敏展 (たかばびん)

高羽敏展(たかばびん)
10月13日(火)〜18日(日)
11時〜20時(最終日は19時まで)
埼玉県川口市 masuii R.D.Rギャラリー


作家没後、初の個展を開催致します。高羽は明治末、徳島県に生まれ、エッチング(銅版画)がまだ一般的に普及していなかった昭和初期の日本で、エッチャー(銅版画家)になることを夢みた数少ない作家の一人です。戦前は大阪に腰を据え、作品を日展の前身である文展や国画会展に出品し、当時創立された日本エッチング作家協会の会員として活躍しました。また、1940年代中頃から中国へ渡って造幣の仕事に就き、間もなく終戦を迎え日本に戻りました。戦後は頒布会にて作品を会員へ届けるなど個人的な活動に終始しながらも、生涯に渡り独自の表現を掘り下げ、エッチャーとしての生き方を貫きました。本展では画家のエッチングを中心に、若き頃の木版画や人柄を忍ばせる資料を展示致します。人生を深く真剣に見つめ、愛しさや哀しみを織り交ぜながら、高羽敏が銅版の上に刻んだモチーフの数々をどうぞお楽しみ下さい。

•作家プロフィール
1902年、徳島県生まれ。東京の本郷洋画研究所で学ぶも、関東大震災を境に一時絵筆を折る。その後、図案家として生計を立て、1937年よりエッチングを本格的に始める。戦前、文展等に出品し、1940年に日本エッチング作家協会の創立会員となった。戦後は独自の表現を追求しながら、頒布会という形式で作品を制作し続けた。1982年没。