不思議な光景

吉本ばなな(文章)で奈良美智(写真、絵)の「アルゼンチンババア」の「そこに流れている時間は特別なもので、決して過去と現在を分けて流れてはいない」という文章を読んで、はじめて買った絵のことを思い出しました。
なんで、この文をよんで絵のことを思い出したのか、よく分かりません。
この絵を見ると、あの時に感じた色々な感情や思い出が手に取るように思い出せます。高校生の頃、広尾の駅前をふらふらとしていたら、おでん屋さんみたいに車輪のついた屋台の中に絵を何十個もかけているおじさんとおばさんに出会いました。そこにあった絵は、星と太陽とシルクハットを被った男の人が描かれていました。そこで、30分くらい会話をして、何故だか買ってしまいました。隣にいた友達は不思議そうにしていました。思い返すと、絵の屋台が駅前にあるという光景は、夢だったのかなと思ってしまうほど、奇妙な光景です。でも、私の部屋の絵を見ると、そのことは事実だと分かるし、その時の不思議な気持ちを思い出すことができます。