センチメンタル★

mermaid01012006-06-03

荒木経惟の「センチメンタルな旅 冬の旅」

ふらふらとジュンク堂の中を歩いていたら、この写真集を見つけ、購入。
自宅に帰って、見ていたら酷く悲しくなってきました。
会社から帰宅したパートナーに、その写真集の説明をしようとしてら、
泣けてきてしまい、全然説明になりせんでした。

アラーキーにとっての陽子さんは、妻であり、特別なモデルでもありました。
陽子さんは、40代半ばで、癌になって死んでしまいます。この写真集は、その時間を写したものでした。

アラーキーの奥さんの陽子さんの姿や奥さんの事をおもいながらの景色や奥さんを思いながらの猫の姿がたくさんつめこまれています。

最初は、結婚式。次は、新婚旅行の様子。その時は予想もされていたなかった長方形の石が、今後の陽子さんの行方を示唆しているようでした。このときは、右下に日付はプリントされていませんでした。

若い二人から、10−20年くらい時間が過ぎ。陽子さんの癌が発見され、死への旅路を写していっています。ここでは、右下に日付がくっきりとプリントされています。

この中に、アラーキーのトレードークでもある、丸めがねが、真ん中でポキット折れている写真があります。非常に美しくもあり、非常に悲しくもあります。

肉親の死という非常に個人的なテーマですが、私にとってはそれは、アラーキー個人のものではなく、非常に身近で感じるものの多い作品でした。

パートナーに、めがねの写真を見せたら、「恐くて見れないよ」と言っていました。