天秤 真実と歴史

mermaid01012006-04-29

薔薇の名前
原作 ウンベルト・エコー
監督 ジャン・ジャック・アノー

を久しぶりに見ました。
お家にDVDがあるので、何かあると見返したりするんですが。。。
今回で、5回目くらいです。
見るたびに、いろんな発見があって、面白いです。

無宗教である私は、この映画を完全に理解できないかもしれないのですが。
キリスト教にとって、キリストの財布所持も腰布の所有者も笑いを認める認めない等も、とても大きな問題だったと思いますが。どれも、行き過ぎると、ウイリアムの台詞の<信仰と狂行とは紙一重>という言葉が、色々な所にあてはまるように感じました。

考えとは違った真実が記されている本であったとしても、その本を焼いてはいけないというものがあるそうです。それを忠実に守るあまり、その本が明るみにでることをおそれなくてはいけなくなります。それが、ここでのさまざまな悲しみを産み出すことととなります。

最終的に、ここで正義の立場のウィリアムの行動は、私にとっては正義ではないと感じています。
それは、やはり、私にとっては、真実を明らかにすることで、今までの歴史を消失してしまうのだとしたら。どちらが正義かを明らかにすることはとても難しいことだと思うからです。
他にも、他人への愛情や自己愛や真実や歴史や色々なものが天秤にかけられています。

人それぞれに天秤にかけられたものを選択するものの違うのかもしれませんが。。。

そこに、人間らしい悲しいゆがみが出てしまうのかもしれません。。。